【追記あり】首ふりドラゴンの錯視が起こる理由を考えてみた!

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こんにちは、みなさん。   おもしろ!ふしぎ?実験隊です。
首ふりドラゴンってご存知ですか?
実験隊的には、こんな感じで、展示しています。
★展示物4.JPG
ちょっといい画像がなかったので、数が少ないですが、上記右上のドラゴン。印刷時に、色指定をして、いろいろな色を出すことができます。
おそらく、こちらが元のWebサイトだと思います。
Click for video clip.
と書いてあるところをクリックすると、動画が見られます。
back
をクリックすると、他の作品も見られます。
このサイトから派生して、今では、いろいろな『首ふり・・・』という工作が多くの方々がされているようです。
KUBOさんも、上記の画像まんなかの白黒のサイコロもどきの工作をしたことがありますね。覚えてくれているお友達いるかな?
222.jpg
で、今回なぜ、この記事をアップしているかというと、首ふり・・・の工作は多く行われているけど、ちゃんと理由を説明しているサイトがあまりないなと思っていたからです。
KUBOさんの解釈が正しいかは、わかりませんが、こうなんじゃないかな?と思うことを書いてみますね。
実は、以前も書いているのですが...今回は、もう少しきちんと。
【追記ここから】
以前、この記事に、解説(現在は削除)を書いていましたが、理科の探検2015年春号に、
首振りドラゴンの原理を考えて『ふしぎなおにんぎょう』を作ろう!
という記事を書きました。それをそのまま下記に公開しますね。
PDFも最後に入れているので、どうぞご覧下さい。
実験の流れは、こちらからどうぞ。
http://tsukuba-ibk.com/omosiro/2014/03/post-321.html
=====
 首振りドラゴンの原理を考えて『ふしぎなおにんぎょう』を作ろう!

そもそも、首振りドラゴンって?
Dragon Illusion (日本名では首振りドラゴンなど)をご存知ですか? ドラゴンのペーパークラフトを顔が凹んでいるように組み立て、片目(うまくすると両目)でしばらく見ていると、顔が普通の凸面のように見えてきて、その後体を左右に動かし観察すると、ドラゴンの視線がついてくるように感じるちょっとふしぎなペーパークラフトです。
このふしぎな現象は、Hollow face 錯視と呼ばれ、アインシュタインの凹んだお面の展示物も有名です。Hollow face 錯視とは簡単にいうと、人間は「顔は凸面のはずだ!」と思っているので、そうでない凹面の顔を見ると凸面のように思い、それによっておこる錯覚のことです。『首ふり〇〇』などと名づけられ、たくさんのペーパークラフトなどが紹介されています。
ふしぎを体験するものとしては、それで十分なのかもしれませんが、RikaTan的には、ただ「原因は錯覚です。陰影が関係しています。」という『もわ~ん』とした解説ではちょっと残念です。この記事では、どのように人間は見て、どうして錯覚が起こるのかを解説しようと思います。作図すると意外と簡単。わかってみると自分なりのこんな『ふしぎなおにんぎょう』も誕生しましたよ。
P1170657.JPG

1 小学生中低学年が作った『ふしぎなおにんぎょう』

首振りドラゴンの解説をハカセと子供でやってみる
観察は両目でもよいのですが、今回は作図しやすいように、片目で観察したとします。『ついてくる』というのは解説しやすいように、顔の正面の『鼻がついてくる』としましょう。ドラゴンは描きにくかったのでハカセに登場してもらい、図2 のように子供が片目でハカセの鼻(★の位置)を見ているとします。子供が右左に動いて見ても、ハカセの鼻の位置は変わりませんね。
n15.png

2 普通のハカセの場合

ハカセは動いていないので、当たり前。
では、ハカセがお面だったら...それも、凹んだお面だったら。これまた描くのが難しかったので、図3 で我慢してください。
 n12.png

3 凹んだお面のハカセの場合

凹んだお面上のハカセの鼻は、凹んだ側から見ると、実際には図3 のように赤い矢印のさきっちょにあります。でも人間は、顔は出ていると思いがちなので、赤い矢印のさきっちょではなく、図4 
のようにその直線上で想像上の顔の部分と交わった★の位置に鼻があると思うのです。
 n11.png

4 凹んだお面のハカセの場合の、ハカセの鼻の位置の感じ方

もちろん目も口も図5のようにすべて同様です。
n8.png
 n9 - コピー.png
図5 凹んだお面のハカセの場合の、ハカセの感じ方
 
また、顔がついてくる(こちらを向いた)ように感じるということは、こう解説することもできます。ハカセの顔を見た時によく見えている方の鼻と耳の距離を前後で比較してみるのです。図6 のように、最初に見えていた距離より狭まったら、それはハカセがこちらを向いたということです。
 n13.png
図6 ハカセの鼻と耳の距離のちがいで顔の向きを比較。実際に近くの人で確かめるとわかりやすい。
 
図7 を見てください。Aの子供からよく見える方のハカセの鼻と耳の距離(オレンジ部分)は、Bに移動すると少し狭まります。きっと子供は自分のほうにハカセの顔が向いたと感じるでしょう。Cに移動するとさらに狭まります。だから子供には、AからB・Cと移動する間、ハカセの顔は自分のほうについてきていると感じるのです。
 n10.png

7 子供からよく見える方のハカセの鼻と耳の距離

Cの子供からよく見えるハカセの鼻と耳の距離(緑部分)も、同じようにAに移動するほど狭まっていきます。同様の感覚が生まれるのです。
人間は瞬時に物の間隔や距離をとらえ、立体感や遠近感を脳で再現し感じています。上記のような解説で理解するのも、よい方法だと思います。
それと、もう一つ。この手の錯視で、凹面が凸面に見える瞬間に、少し光の当たり具合が変わるように感じることがあります。図8 はどちらも平面に描かれた円ですが、感じ方に違いがあると思います。顔についても同じです。
 dora14.png
図8 どちらかというと左は中の丸が膨らみ、上下さかさまの右は両端が膨らんで感じる。1)
こういった錯視が起こりやすいよう、光の当て具合にも気を配ったほうが良いようです。
また、この錯視は小さいお子さんには、わかりにくいように思います。それはおそらく、小さいお子さんはまだ、顔の認識が大人ほどはっきりしていないからだと思うのです。
『ふしぎなおにんぎょう』をつくる

子供には感じづらいと思ったので、このネタでの実験・ものづくりは、難しいかな? と思っていたのですが、おおきな展示物でしっかり観察して、自分で顔を描くという作業をすると、案外うまくいくようです。図1 の『ふしぎなおにんぎょう』は、薄いインサートカップ2)の外側に、底が鼻になるように絵を描きます。
P1170730.JPG

図9 工作風景

もう一つのインサートカップを体にして、取りはずししやすい両面テープで顔をくっつけます。体にはコーヒーフィルターを着せ、水性ペンでお絵かきをして水をちょんちょんつけてペーパークロマトグラフィーもどきとしています。体と顔を付け替えると、もう一度顔を描くことができます。詳しくは、下記URLで動画も含め公開しています。
大きな展示物は、図10 のようなものです。
図10 左.JPG  
3 面でできたサイコロ。ホワイトボードに貼り付け、下からライトを当てている。
下に色を塗り直したお面をプラダンにはめ込んだパネル。
図10 上のサイコロの3 面は正方形ではありません。サイコロの目の位置も中央ではありません。作りづらいのでは? と思われるかもしれませんが、おおよそを作り展示して、サイコロに見えるように、カットしなおせばよいのです。図10 右のお面は、真ん中右以外はすべて凹んだお面(裏面にメガネなどを描きこんだもの)です。プラダンに穴をあけはめ込んでいます。こうすると光の当たり具合を調整できます。下記URLで材料や作成中からの様子を動画も含め公開しています。
子供の実験ものづくりとしては、原理などは『もわ~ん』としていていいのでしょうが、大人のものづくりとしては、一歩踏み込んで楽しんでいただけたらと思います。
1)図形は、立命館大学の北岡明佳氏に、2010年2 月号『私の実験ものづくり教室 見え方のふしぎにせまろう!』執筆時に拝借したもの。
2)LOHACOサンナップ薄型インサートカップ200ml

PDFはこちらです。

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